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こどもの中耳炎のお話

 一口に「中耳炎」と言っても急性中耳炎・滲出性中耳炎・慢性中耳炎・真珠腫性中耳炎と専門的にはいろいろあります。その中で特に子供がかかりやすい中耳炎というと急性中耳炎と滲出性中耳炎です。こども達がかかりやすい「中耳炎」について少しお話をいたします。

急性中耳炎について

 夜中に突然「耳が痛い」という症状を訴えて子供が泣きだします。病院が開いている時間ではない時、どうすればいいでしょう?夜中に救急に走る前に、できることがあります。

 こどもが突然、「耳が痛い」となった場合は急性中耳炎を疑います。

 まずは痛みを止めて寝かせてあげることができれば治療の開始は次の日の朝で大丈夫。冷蔵庫に以前に処方された熱冷ましの座薬がありませんか? あるいは頓服の熱冷ましはないでしょうか?「アンヒバ」や「カロナール」といった薬があれば痛み止めとして効果的です。痛みを止めるために氷まくらなどを使って耳を冷やしてあげても良いでしょう。

 救急外来での当直で先ほどまですごく耳を痛がっていたという子供を連れてこられてもすでに痛みが引いてスヤスヤと眠っていることもよくあります。まずは自宅でもできることを覚えておくと良いですね。もちろんそれでも痛みが止まらなかったりあまりにもぐったりしているときは夜間・休日診療所を利用ください。

 中耳炎は鼻の具合と密接に関連します。耳管という耳と鼻をつなぐ管を通って細菌が中耳腔に入り感染を起こします。膿が溜まって腫れている場合は鼓膜切開をしてすることによって早く痛みをとって治すことができることがあります。また適切に抗菌剤(抗生物質)を使うことも重要です。ただし、ウイルスの感染には抗生物質は効かないため使用しないこともあれば、抗生剤の効きが悪ければ同じものを長期間投与しないようにしています。

滲出性中耳炎について

 特に痛みがない状態でもなんとなく聞こえが悪いとかテレビの音が大きいなどおかしいと思ったときは耳の状態をチェックしてもらったほうがよいでしょう。急性中耳炎は細菌やウイルスが暴れて痛みが出るのに対して、滲出性中耳炎は中耳腔に水が溜まって音の伝わりが悪くなっている状態です。痛みがないので気づかないこともあります。

 これは耳管の機能が悪くなっていて、水が中耳腔から出にくくなっている状態です。急性中耳炎がよくなり膿がなくなってからも水だけが残っていることがあります。中耳の機能が悪くなると水が溜まったままになるためです。水が溜まり続けると将来慢性中耳炎など聞こえが悪くなる状態になる可能性があります。このような中耳炎には耳管に空気を通してあげたり、水の排泄をよくする薬をしばらく使います。

 それでもよくならない場合は鼓膜切開をして排泄するあるいは鼓膜チューブという小さな管を顕微鏡を使って入れるという処置をします。

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